薬院てんてん市、はじまりとこれから

2016.03.01 | 薬院てんてん市

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この催しは薬院のまちぐるみで行う蚤の市のこと。ショップの軒先や駐車場などのまちに点在するちょっとしたスペースを活かしてまちの人たちが一斉にフリマをやるというイベントです。2009年6月に第一回が行われ、昨年2015年10月に13回目が開催されました。

第2回てんてん市様子
※2009年11月、第2回目の模様

ことの始まりは飲み会でした。私たちがリノベーション計画でかかわったKYOYA薬院ビルの入居者さんたちと懇親会をしたときのこと。皆で何か面白いことをやりたいね、といった話になったことがきっかけ。それは確か2月頃のことだったと覚えていますが、その年の6月に薬院てんてん市開催というかたちで実現することに。

そんなこんなで、薬院てんてん市はKYOYA薬院ビル1階のガレージでこじんまりと始まりました。会場はここの1ヵ所、参加者は14組といったふうで本当にささやかなスタート。ただ、まち中に拡散させる目論見があったので、薬院てんてん市というネーミングにしました。薬院のまちに会場が点々(てんてん)と広がり繋がっていく、そんなイメージ。おかげさまで今では会場数が30弱まで増え、参加者も50組ほど集まるイベントに成長しました。

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 ※2015年10月、第13回目の模様

ところで、私たちは立ち上げからずっと運営に携わっているのですが、このイベント、物件の再生を仕事とする私たちにとって実は実験的な試み、つまり物件ラボなのでした。まちに点在する空いたスペースを活かしてまち全体の使い方を再考。そして、まちの皆さんの力を借りてトライ…… 「買わない、つくらない、自分たちでやる」これを原則に私たちは運営しています。なるべく既存を活かして、イベントのためにわざわざ何かを買ったり、新しく設えたりしない。広告等も自分たちでやる。既存の空間やモノ、ネットワークをとことん活かせば、持続性のあるまちづくり活動ができるはず……これが私たちの実験内容です。結果、13回目まで開催することができたので、実験は今のところうまくいっていると思います。
オリジナルの手ぬぐいを作って販売するなどして、3.11の震災の時には義援金を送ることもできました。 10回目にしてようやく来場者用のインフォメーション&休憩所を設けることができたのですが、この時に思い切ってタープを購入。丁度タイミングよくディスカウントをやっていて約9,000円でゲット。これが今までで一番高い買い物に…そんな感じでやりながら手を加えていき、今では大分スムーズに運営させてもらっています。

とはいえ、言いだしっぺということもあり、始めてからしばらくの間は、サイトやチラシをつくったり参加者を集ったりなど、私たちはボランティアで結構な時間を割きました。でも、マスコミから取材を受けたり、不動産オーナーから声をかけていただいたり、一般の方々からも多数のお問い合わせをいただくなど、変な話し、どこかの媒体に広告を出すよりもよほど会社(ひかり生活デザイン)の宣伝になったような気がします……これはインターネットと口コミのおかげですね。

また、このネットワークをベースにして薬院サルー祭りというハジゴ酒系のイベントも立ち上がりました。

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薬院サルー祭り

私たちは立ち上げから運営に携わりましたが1年の節目に卒業。その後も発足当時の頼れる主要メンバーを中心に月一開催というペースで継続。昨年なんと50回目を迎えました。モチベーションを保ちつつ、これだけ継続できるって、本当にすごいことだと思います!
ちなみに、こちらのチラシには広告枠があって協賛を集っています。まちのイベントや口コミがメディアのようになってきている……一昔前(ネットが普及する前)であれば広告にお金を使って集客しなければならなかったのに、今では逆に広告する側になっている。これは面白い流れですね。情報発信の逆転現象です。
このように、まちの使い方を先入観なく見直せば、まだまだそこには可能性がたくさん眠っていると思います。薬院てんてん市はそのことを私たちにあらためて気づかせてくれたのでした。

さてさて、随分と話が長くなってしまいましたが……本年2016年より、薬院てんてん市の情報発信の場をこれまで使っていたサイトから当サイトに移行させていただくことになりました。これを機に、新たなことにも取り組んでいきたいと考えています。

今後ともよろしくお願いします!