空き工房いろいろ
長崎県波佐見町で始まった「空き工房 活用プロジェクト」
(プロジェクトについての前回記事はこちら)
使われなくなった工房にどんなものがあるのか、今はどんな風になっているのか?
いくつかの空き工房を見させて頂くことができました。
実際に見ることで分かったのは、
空き工房と一口に言ってもそれぞれに特徴や個性があるということ。
今回は、その中から4つの空き工房をご紹介します。
違いを楽しみつつ、ぜひ活用方法を想像しながら読んで見て下さい。
空き工房その① 土間の床に、スケルトンのような壁天井のワンルーム工房
広い間口を入ると、4mはゆうに超えていそうな天井高に4面採光の明るい室内。床はコンクリートなどで仕上げられていない、地面そのものに近い土間造り。壁天井も木造の躯体そのままで、開放感がありながら、骨組みや柱の生む影が印象的な工房です。
空き工房その② 300㎡の田んぼが裏庭、味わいのあるパーツが残る古民家付き工房
母屋と工房を繋げる軒下を通り抜けると、一面に広がるのは稲刈り後の田んぼと畑。側溝に、小さなカエルを見つけました。型板ガラスの木の引き戸、吉祥文様の鬼瓦に上合の網代編み…家族移住で作家活動?それともギャラリー?家自体の持つストーリー性に想像が止まりません。
空き工房その③ ホタル舞う清流のほとり、下宿付きのシェア向き工房
川を挟んで、右手が母屋兼店舗、左手が工房兼下宿という珍しい構成。広い空間には、ブースのような作業スペースが残っているので、スタートアップや週末クラフトなど、小さく始めたい人に良さそうです。母屋と工房を繋げる橋の上には休憩用のテーブルが。夕涼みやホタル観賞、魚釣り…夏はここにいることが、一番多くなるかもしれません(笑)
空き工房その④ 目の前はホームセンター、トイレ・キッチン付きのDIY向き?工房
最後にご紹介するのは、今回見た中で唯一のトイレ・キッチン付き工房。すぐ目の前がホームセンターなんて、かなりのポテンシャルを感じます。クラフトの材料だけでなく、DIYの資材調達にも重宝しそう。しかもお隣は、レトロなムードある飲食店。DIYで汗を流した後はここでカンパイ?という話しで盛り上がりました(笑)
・・・
いかがですか?
立地、規模、設備…条件の組み合わせによって、こんなにも活用方法に幅があるんですね。
一見、簡素な小屋か倉庫にも見える空き工房たち。
一歩中に入ると、土足がOKだったり、天井が高かったり、間口が広くて開口部が多かったり、、元々が工房なので、作業のしやすい条件が揃っています。福岡市内ではこういった物件になかなか巡り会えないため、都市部でアトリエを持ちたい人はもとより、ショップやギャラリーとして古家を探されている方から見ると、まさに羨ましい限りの「素材」ではないでしょうか。
もちろん、問題も見えてきました。
荷物の撤去から始めないといけないもの、壁の補修が必要なもの、トイレが設置されていないものなど。貸し出すためにそれらをどうクリアしていくか、ということを考えていかなくてはいけません。課題が洗い出せたところで、次は作戦会議です。
それにしたって、一歩外に出たらこんな景色が広がっている環境ってすごい!
電線のかかっていない広い青空。気持ちいいですね。
いよいよ空き工房の活用に向けて、具体的なアイデア出しに入っていきます。
次回はその進捗をお伝えできれば。
どうぞ、お楽しみに!
text/いしだ