モニターツアー④ モデル工房見学
快晴だった1日目とは異なり、2日目は生憎の雨模様。小雨がぱらつく中でのスタートとなりました。 昨日で帰られた方もいれば、今日から参加の方もいて、若干異なる顔ぶれです。 (綿島さんも、お仕事がお休みとのことで、午前の部に急遽参加して下さいました。ありがとうございます!)
今日は空き工房を2件見た後、山間の集落でお母さんたちの手料理を頂き、午後から一大観光スポット「西の原」を散策します。 2日目も最後までお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もくじ
・道具類付きの空き工房
・ただいま改装中、のDIY工房
・山間で、お母さんたちの手料理ご飯
・九州最大級、築79年の木造洋館
・敷地1500坪、西の原散策・おわりに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
道具類付きの空き工房
1件目にご案内したのは、空き工房リストNO.4のこちらの工房。
道路を挟んでもう一件、同じオーナー所有の工房が建つ双子物件です。※現在の募集は左下のみ
一棟貸しとしては、空き工房リストの中で2番目に大きく、1〜2階合わせて全6室、300㎡を超える広さ。
従業員の休憩所だった畳の間や、社長室として使われていた絨毯の部屋など、作業場以外のスペースもあるのが特徴です。
最初に弊社の春口から物件の概要を聞き、
三々五々散って行きます。内覧に、もうすっかり慣れた様子(笑) ここは細かな道具や備品などが当時のまま残されており、見たことのないそれらに、みなさん興味津々です。
物件設備は不動産業者の領域なのでお任せあれ、ですが、「やきもの」についてはお手上げなわたしたち…。 「これは?」「あれは?」と、綿島さんやミリアムさんに投げかけられる質問に耳を傾け、一緒に勉強させてもらいました。 焼き物を焼成する窯には電気窯(写真左下)とガス窯(写真右下)があること、
器の絵付けは筆以外にも、シールや
判子を使う方法があることなど。
この判子もまた、分業制の一つで「判子屋」さんがあるそうです。まるで筆書きしたような繊細な線を見ると、「なんだ、判子絵なんだ」なんて言葉は出てきません。職人技に感じ入るばかり。 工房に残された道具への疑問や興味から、やきものの世界がどんどん紐解かれています。 「時代が一巡して、今はこういうのが流行っている」と女性陣の目に止まったのは、中央部分がティファニーブルーに色づけられた一枚の平皿。硝子を溶かしこんだような透明感ある色合いが「可愛い」と高評価です。彼女たちの目から見たら、他にもまだまだ「可愛い」ものたちが残されているようで、写真を取ってSNSにアップしている姿が印象的でした。
改装中のDIY工房
次に向かうのは、我らプロジェクトメンバー希望の星。空き工房リストNO.3、DIY工房です。
ここまで4件の空き工房をご案内しましたが、どれも未改修で未知数なものばかり。どこをどんな風に改装すれば魅力的な物件になるのかを想像するのは難しく、また、改修の費用関係も気になる部分だったと思います。 そこで、一件の空き工房を事務局が借り上げて改修し、ビフォアー・アフターの公開と、その段取や手間、そして費用までも「見える化」しようというのがこのDIY工房なのです。 いわば「モデルハウス」の空き工房版。改修後を見てもらうだけでなく、実際に使ってみることで、他の空き工房についても想像の翼を広げてもらおうという狙いがあります。とはいうものの、ツアー時はまだまだ改修は進んでおらず、最初のこの状態から
少しだけ進んだ、下の状態でのご案内。。(ここまでの段取りはこちら → 見積編 相見積編
撤去編)
モノがなくなり、だいぶすっきりしたのですが、 「ここから天井を落とし、土間を天川漆喰仕上げにし、板の間を作ってキッチンを据えます!」 と説明されても、やはり想像し難いと思います。 ということで、村上さんが直筆の可愛いイラスト入り資料を作ってきてくれました。 ネーミング含め、まだ仮の部分も多いのですが、「壺に木を植える」「とんぱんを活用してクローゼットや小部屋を作る」など、村上さん始めメンバーの夢が詰まっています(笑)
最終的には、波佐見「空き工房バンク」事務所としてだけでなく、陶芸教室や1日お試しカフェ、作品の展示販売といった使い方に挑戦、さらに、観光や職の情報発信など、 ヒト・モノ・コトが集まり流れる中継点、ハブのような役割を持たせたいと考えています。 もちろん、夢の前には越えるべき現実が。電気メーターの分離、トイレの設置、産廃や不要品の処理費用等々・・・。率直な意見を聞かせて欲しい、という村上さんに、参加者の方々も真剣な表情。
「産廃でお金がかかるなら、廃材として再利用してはどうか」「不要品でも他に欲しい人は居るはず。埃だけ落として、ネットオークションで売りに出すのも良いのでは」など、たくさんのご意見を頂きました。 ちなみにー。改修はほとんど進んでいないと書きましたが、一つだけ仕上がっているところがあるのです。 それは、トイレ! 男女別の汲み取り式だったのが
一つにつなぎ合わされ、ゆとりと生活感ある簡易水洗になりました!
新しく備え付けられた手洗い鉢は、綿島さんのお勤め先、中尾山の「光春窯」さんで作られたもの。 扉は、元々この工房にあった皿板で作ったオリジナル。そこに“ガラスの器”が明かり取りとして嵌めこまれました。 アイデアマンの村上さんらしい演出です。(トイレ工事の記事はこちら)
小川が流れる、工房の裏手にも回ってみました。 周りが低層の住宅街なので、空が広く見えますね。裏口付近に草花を植えると、また違った表情になりそうです。
基礎工事など、プロの業者さんでないと出来ないところ以外はDIYで改修していく予定。この姿がどんな風に変わっていくか、どんな人たちがどんなカタチで関わっていくのか…自分たちでもこれからが楽しみです。