モニターツアー② 昼食と集落散策
元製陶所でのお昼ごはん
空き工房を見た後は、窯元を改築したレストラン「四季舎」でお昼ごはんです。
「みなさん、波佐見へようこそ!もう移住が決まったんですよね?」 茶目っ気たっぷりの挨拶で笑いを誘うのは、マスターの畑中さん。
見た目も華やかなお料理は野菜メイン。男性にはちょっと足りないかな?と思いきや、「意外とボリュームがあるね!」と満足そう。「少しづつ色々なものが食べられるのが嬉しい」と言う声は女性陣から。
食事の後は、施設内外で思い思いに休憩タイム。
こちらのレストラン、一見すると木造建築のように見えますが、実は鉄骨造りなんだとか。鉄骨の上に皿板を貼って壁・天井を造り、床は足場板を使用したそうです。
囲炉裏の天板にも皿板を、囲炉裏の脚と入り口のタイルには、元々工房で使っていた窯のレンガを再活用したと言い、「ここにあるものは、ほとんどタダだよ」と畑中さんは笑います。
「レンガはね、中の柔らかいのを脚に使って、表面の焼き締められた固い部分を入り口に敷き詰めたの。焼かれたレンガは色づくから、見た目にもキレイでしょ」 その窯は、今はピザ窯として活躍中。やきもの用からピザ用に、ご自身で改造されたというから脱帽です。
窯元の集落、中尾山散策
四季舎でお腹を満たし、空き工房活用のヒントもたくさんもらったところで、午後からは中尾山の散策です。 案内して下さるのは、ガイド協会会長の石原さん。よろしくお願いします!
中尾山は、坂道と石畳、そしてレンガ造りの煙突が独特の景観を作る情緒ある町。レンガの煙突は、そこに窯元がある証です。今でも商社を含め20程の工房が残っているのだそう。山の傾斜を利用した登り窯も有名で、世界最大級の窯が2基あります。
(焼却炉までレンガ造り。可愛い!)
毎年、GWに町内で開催される「陶器市」は有名ですが、実はここ中尾山でも、毎年4月に「桜陶祭」という陶器市が催されます。ちょうど桜が咲く気候の良い時期に、陶郷を散策するなんて素敵ですね。今年は4月の2日(土)と3日(日)に行われるそうです。
清流のほとり、ゆるやかなアップダウンが続く坂道、やきものがレリーフのように地面を飾るレンガ通り…やきものの歴史や集落の説明などを聞きながら歩いているうちに、一軒の窯元さんに到着しました。
「紀窯」さんです。お邪魔した時は、絵付け作業の真っ最中。下絵付け、釉かけ、本焼成まで終わると、今度は上絵付け、さらに上絵焼成、最後に検品。というのが主な作業工程。今は上絵付けの段階でしょうか。背筋がぴんと伸びるような雰囲気です。 この光景自体に美しさを感じます。
外に出ると、先ほどとは打って変わり、見る人の購買欲を刺激する光景が待っていました。ギャラリーに所狭しと並べられたスリップウェア作品。女心を…だけでなく、男心もくすぐられてます(笑)
女性も男性も夢中になっている様子と、「窯元さんから直接購入できるというのは、やきものの里ならでは」という村上さんの言葉に、改めて“生産地”の強み、そして可能性を感じました。